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African Rhythm Tap魂

Serise-魂の鼓動-

2000年、10月15日。穏やかな秋晴れの日曜日。
Smilieこと、みすみ“Smilie”ゆきこは初のソロ公演を行った。場所は、新大久保(東京)にあるR's artcourt。この新大久保という街は、偶然にもSmilieが8才まで育った地でもある。タップ・パーカッショニスト&ダンサーとして一段とパワーアップした彼女に舞台について聞いてみた。
 
まずは、ソロ公演の大成功おめでとうございます!
皆様のお陰です。ありがとうございます!
 
昨年(1999年)から始まったアフリカン・リズム・タップ・シリーズの2回めですね。
今回は「魂の鼓動」というサブ・タイトルがついている。そこからも、この舞台にかける意欲が伝わってきます。具体的にどのような気持ちで臨んだのでしょうか?
音楽のイメージに入り込んで、自分なりに、その音楽の中にstory性を作り、感情移入をして、心の奥底からわき出てくるリズムを踏んでみました。あくまでも、naturalに。
 
アフリカン・リズム・タップというテーマを選ばれた理由は何でしょうか?
タップの起源の1説がアフリカにあること、また、大好きなラテン音楽のリズムのルーツ(と言うか、全ての音楽のリズムのルーツ)がアフリカにあること。この2点から、アフリカに惹かれ、ダンスやリズムを勉強しだしたのがきっかけです。アフリカン・ダンスを勉強してると、タップと共通するところがたくさんあるのですよ。アフリカンと同じく、私の中でも、ダンスは生活そのものです。
 
アフリカン・ダンスと言えば、アフリカン・ダンスのgeneさんを迎えて、Boots Danceを披露されました。手や足をふんだんに使い、全身で、しかもリズミカルな動きが新鮮ですね。Boots Danceという名前も面白い。そもそもどのようなダンスなのでしょうか。
南アフリカで伝わったリズム遊びだそうです。geneさんに「アフリカ人もブーツを履くのですか?」って思わず聞いてしまいましたが、軍隊では、履くそうですよ。ブーツを叩いたり、手を叩いたり、足踏みを踏みリズムを楽しむもので、とっても楽しいです!
 
そのBoots Danceを観客の方に参加して頂き舞台上で一緒にされました。1部ではお子さん達もステージ上にあがり、暖かく見守っている姿が印象的でしたが、御自身の御感想はいかがでしたか。
日本人てシャイなので、なかなかstageに上がって来ないものですが、何人か意欲的に上がって下さいましたね。特にお子さんは、楽しんで下さったみたいで、うれしかったですね。上手い下手でなく、リズムを楽しむ事が一番大事ですからね。
 
今回はセネガル出身のジャンベ奏者であるラティール・シーさんを迎えてジャンベとセッションをされましたが、観ていてその迫力に圧巻されました!
ある意味、パーカッション同士の対決でもあったわけですが、まずジャンベという楽器を選んだ理由は何だったのでしょうか?
アフリカの楽器と言えばジャンベが代表的ですし、ジャンベの音に踊らされるのですよね。自然に体が動き出し、血が騒ぐのです。前世はアフリカンだったのかなー?(笑)
 
苦労した点はありますか?
1人でやるのって、自分との戦いですよね。苦労と言えば、それかなー?あと、音楽を聞いていて、リズムが沸いてこない時は焦りが出ます。そう言う時は、無理せずに 気分転換でフラーっと旅に出たりします。(笑) 
 
ラティールさんとのセッションの中で「なるほど」と思えるようなことはありましたか?
神との交信、そして、太鼓の音が言葉だと思いました。彼の目の奥に、故郷への思いや彼の人生を感じました。タップも同じです。いかに生きてきたかが全て舞台に出ると思います。
 
セッション中は何に一番注意を払いますか?
即興なので、何も考えないこと、リラックスしてコミュニケーションをとること、そして、何よりも相手の言葉(音の意味)をよく聞くことに集中しました。
 
ジャンベという楽器以外にもご自分で楽器を持ちながら踊られていましたね。楽器についてご説明を。
鳴り物が好きなんです。お祭り人間なのかな?(笑)海外に行くと、その土地の楽器や音楽に一番興味を持ちます。今回使ったのは、メキシコで購入しました。国内のおもしろい楽器店や、アフリカのグッズの店などにも良く行きます。
 
衣装も曲に合わせて変えていらっしゃいましたが、特にレインボーカラーのパンツがとても可愛く、印象に残りました。あの衣装はどうされたのですか?
衣装は、NY等、海外で購入する事が多いです。色がきれいなので。やっぱり海外へ行 っても舞台のことしか考えていないのかなー?!(笑) まあ、勉強になりそうな所に行きたくなるんですけどね・・・。今は、西アフリカ、ブラジル、キューバ、バハマに行きたいです。
 
今回のステージで一番思い入れのあるダンスは何でしょうか?
全部です! 1曲1曲に、色々な思いがあります。
 
今年の夏に日本代表メンバーとしてSt. Louis Tap Festivalに参加されました。そこで師と仰ぐジミー・スライド氏と再会し、タップ・ベアをプレゼントされました。何と愛らしいベア!タップ・シューズを履いているベアとは粋なプレゼントですね。ジミーさんと再会した時は、さぞかし感激されたでしょう!
はい! JIMMYも探して下さって。そして、色々な方に紹介して下さいました。HENRYにも紹介しようとして、HENRYが「I KNOW SMILIE !!」って。(笑)
JIMMYのそばにいると、心が暖かくなるんです。素晴らしい方なんですよ。STEPを磨くより、人間としてどう生きるかがARTISTにとって大切なのだと、教わってきました。舞台って全部見えちゃいますからね。
 
「Tribute to Tap Masters」でジャズを踊られましたが、もともとジャズでタップを踏んでいたのですか?
タップは、ジャズの音楽の歴史とともに歩んできてますから、切り離すことはできません。ただ、どんな音楽にもリズムがあるように、どんな曲でもタップは踊れます。
 
後半は、モダン・ダンスの要素も振付けに取り入れてましたね。そのことにより、心の底で燃えるような情熱が上半身で表現され、タップ・パーカッショニストは元よりダンサーとしての魅力もみせてくれました。モダンを取り入れるきっかけはあったのでしょうか?
特に取り入れようとしたのではなく、自然に体を動かしたくなった様にしたまでです。
内面的なものを、タップで表現しきれない部分があったとしたら、自由に体全体を使います。タップダンサー=[DANCER]ですからね。何十年(?)やってきたモダンやバレエやジャズが基本にある上で、タップを踏んでいるので。ただ、“他のダンスの中にタップが入ってます”風には、自分主体でやる時はしたくないだけです。
 
バック・ダンサーがマスクをつけて登場した場面がありました。あのマスクは?
あー、あれは、ニューオーリンズのお祭り・マルディグラのマスクです。リオのカーニバルのような祭りで毎年2月に催されます。ニューオーリンズに行ったとき購入しました。あの街は、おもしろいですよ!食事も独特でケージェンやクレオール料理。日本人の口にあい、とても美味しいです。そして、どこでもジャズが流れていて、タップもストリートでやってます。私も乱入しました。(笑)
ジャズ・ミュージアムもあり、サッチモのコルネットも展示してありました。今度は、ジャズ・フェスティバルのシーズンに行ってみたいなー。
 
来年(2001年)の目標は?
いつも、特別に目標などたてないのです。ただ、頂いたお仕事やチャンスに対し、全身全霊で望むだけです。一生懸命生きていれば、必ず神様は味方して、応援して下さると信じています。
 
素晴らしい舞台をありがとうございました。本当にありがとう!
こちらこそ、いつもご支援ありがとうございます。
これからも、スマイリーがスマイリーで居られるように、宜しくお願いします!
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