シカゴタップフェス「Rhythm World 21」に参加してきました。
Lane Alexanderさんがプロデュースし今年で、なんと21回目のこのフェスは想像以上に素晴らしいものでした。
滞在したホテルの隣、Fine Arts Buildingと Roosevelt Universityがレッスン場。エレベータが手動だったり、建物に歴史を感じさせる趣がありハリウッド映画で見たような数々のテナントを目に次のレッスンへの移動に歩くだけでもわくわくでした。
最終日には予約していなかった先生のクラスも追加で受講。参加できずとも見学できるクラスは見ていたり可能な限りたくさん触れてきました。3ヶ月前の申し込み時、どの先生のレッスンを受けたら良いか迷いましたが、どの先生も素晴らしかったです。
レッスンは4つのレベルに分けられており、ウォーミングアップも先生によって様々。日本でもよく習うSteve Condosさんのステップはもちろん、柔軟体操を含んだようなステップもありました。私が受けた18レッスン。どれも個性があり学べることが楽しくてしかたがなかったです。的確なアドバイスで2分くらいの間にできない技を鳴るようにしてしまう先生のマジックにも驚きました。日本でのWSでもそうですが、質問して理解した事や、全然できなかったことの方が強く記憶に残っています。心が折れそうになりますが上のレベルクラスに挑戦するのは大きな意味があります。普段仕事や家事などでなかなか朝から晩まで練習することは難しいですが、この一週間は違います。思いっきり打ち込めて練習することの楽しさや集中力など気持ちも体力も向上しました。習ったことを日本に持ち帰って自分のものにしていって、これからこれらをどうしていくかが重要であり、スタートです。
今回 Dianne Walker は6レッスン受講。彼女のタップを見たい。話を聞きたい、と人気のクラスです。力で音を鳴らす子供たちに「床を殺す気?」とお茶目に言うDianne。彼女がワンフレーズ踏むだけで空気が変わり、音も、リズムも、グルーヴも、体の使い方も、溜め息が出るほど全てが魅力的。タップは筋肉が元気な若者だけのものではないという素晴らしさの証明です。4日連続レッスンではLeon Collinsの77番とEddie Brown、仕上げには色々なテンポの曲に合わせて踊り同じ振付での違うノリを学びました。5日目のオーディションクラスは「映画TAPのヒロイン役がDianneだったかもしれないという衝撃の事実」など楽しい体験談を聞きつつ舞台「Black & Blue」で実際踊ったショウならではのアップテンポの男女別振付を皆でステージさながら感情込めて踊りました。6日目のレッスンはスローな曲の前奏で数人にインプロ挑戦させ、一生懸命取り組む生徒さんを優しく見守っている姿が印象的でした。
レッスンの7日間。毎夜フェス企画の盛りだくさんのショウ。レッスン着でホテルを出て爽やかな暑さの中歩くシカゴの街。広いスタジオ。早目に行って自主練。レッスン後空いているスタジオを見つけて自主練。タップのことだけに浸っていられる毎日。みすみさんのおかげでDianneはじめ豪華タップダンサーの方々とのお食事会にも参加させていただきました。超人のようなタップダンサーも子供の写真を見せたがったりする優しいママの顔だったり。友達のように迎えて下さったり。一日中タップを満喫し、色々なことに触れられる贅沢な一週間でした。初日にはリハ場で誘ってくださり6人でジャムセッションし、それが、Nico, Tre, Jecicaというすごいタップダンサーだったということを後で知ったという思い出もできました。
タップダンスの本場アメリカ。止まらずに進化している。でも歴史を大切にしている。先人に感謝の気持ちを忘れない。世界中から参加しているタップダンスを愛する人々。ちびっこから年配のかたまで皆さん熱心で、話す言葉は違えどタップは共通語。すぐ友達になれました。3月の震災に親身に胸を痛め心配くださる声もたくさんいただきました。最終日、別れの挨拶は笑顔で「See you next year」。ずっと続いていくあたたかさを感じました。実際帰国後Facebookで毎日皆さんと繋がっています。
今年のフェスはカナダをトリビュート。カナダ出身の素晴らしいタップダンサーをたくさん知ることができました。将来はアジアを予定しているそうで日本からも多くのタップダンサーが参加することと思います。タップのフェスティバルは毎年世界各地で開催されていて今回シカゴフェスからLAフェスへ、はしごする方も結構いました。私もまた参加したいです。そして多くの方々に参加をおすすめします。また世界から多くの人が日本のタップフェスにも来てくださるようになりどんどん広がっていくと期待しています。
タップが大好き。アメリカが大好き。タップの国のタップに触れてみたい。タップをもっと知りたい。タップをもっと広めたい。日本のタップを元気にしたい。オーディションに応募しようと思った昨年末から多くの葛藤がありましたが挑戦したことだけでも多くのことを学ぶことができ本当良かったです。そして合格してからプロのタップダンサーの皆様から「奨学生という立場で責任を感じているだろうけれど、どうぞ楽しんできてね」とお言葉をいただきました。そうなんです、タップって楽しいんです。そしてタップをする人は素敵な人ばかり。是非皆さんも挑戦なさってください。
ベースメントの藤井さん、スポンサー、サポータのみなさま、Laneさん、フェスのタップダンサーのみなさま、オーディション審査員の方々、オーディションを一緒に受けた同志のみなさま、タップの先生方、いつも一緒にレッスンを受け自分のことのように緊張して応援してくださったみなさま、私の家族、本当にありがとうございました。この感謝の気持ちをいつまでも忘れず精進します。
そして一緒にシカゴに渡ったお二人。色々お世話になりました。Student Show Caseに出演する為、3人でリハを重ね、シカゴに入ってからも時間を見つけて、時にはホテルの絨毯に足を持っていかれながらも練習していたのに、些細な行き違いでステージに立つことができず伝説のオチとなりましたが3人で練習したことは財産です。天然トリオ、とても楽しかったです。そして、今回一緒に旅をしていただき何から何までお世話になりましたみすみさん、心の支えであり、守っていただき安心してレッスンに打ち込むことができました。ひとりでバスにも乗れました。ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。 アメリカはやっぱり何もかもでかい!!!